住記屋

扉の先

 
 
写真はプランニング中のスケッチの一部です。

施主さんにプレゼンするひとつの案の裏側には多くの没案があり、

多くの時間を費やしています。


正直に言うと敷地調査に行けば大よそのコンセプトやイメージが頭に浮かび、

大よその条件を満たした案はすぐに出てきます。

しかしその案は良くても75点と言ったところ。

100点までは程遠く、120点を目指したい施主さんの期待には

答えられていません。

プランを作っては破棄し、作っては破棄し、

場合によっては初めに浮かんだコンセプトも練り直し、

120点のゴールを探します。


経験が積み重なれば、多くの扉の中からこの扉の先がゴールだと

早く判断できるようになるのかも知れませんが、

意外な扉の先にお宝が眠っていたり、

突然新しい扉が現れたりするので、

早々に切り上げることができません。


建築は人を幸せにすると信じていますが、

安易な判断をすれば人を不幸にしてしまう可能性もあります。

才能の無い私は考えられるすべての扉を開き、

その先を確認してからでなければスケッチを止める事ができません。


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