住記屋

無価値という価値

 
芸術、アートは必要か、不要か。

当然私は必要だと思います。


人生は市場経済からみた価値だけでは計ることができない。

しかし、経済的収入がなければ生活できないのも確かなこと。

この矛盾の狭間で、悩み苦しむ人は多いはず。

しかし、その矛盾を突破するものがあるとすれば、芸術、アートだと思う。

作家が自分の人生を純粋に表現し続けることにより、

人の心を動かすことが出来たのなら

物質的に無価値であったものは、経済的にも価値あるものへと変化する。

それは奇跡のような出来事であり、純粋なことかもしれない。


そのためには芸術を見る側の視点も必要となる。

社会、個人が芸術を受け入れる視点を持っているかということ。

それは、純粋な表現者としての人間に価値を見出せるかという視点であり、

自分だけの価値観、もっと言えば人生観を見出せるかという視点でもある。


そのような視点さえ持てなくなってしまったら、芸術不要論が出るだろう。

しかし、そんな世の中になってしまったら希望など持てない。



写真上:「Casting iron 1995」 井田照一

 

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